特定健診・特定保健指導

40歳以上75歳未満(年度途中に75歳に達する人を含む) の被保険者および被扶養者を対象として、メタボリックシンドロームの予防・解消に重点をおいた、生活習慣病予防のための健診・保健指導が実施されています。これを「特定健康診査(特定健診)」・「特定保健指導」といい、当組合を含め、各医療保険者は厚生労働省より実施を義務づけられています。

特定健康診査(特定健診)とは

特定健康診査(特定健診)は、内臓脂肪型肥満に着目した、生活習慣病予防のための保健指導を必要とする人を選び出すための健診です。健診項目には、内臓脂肪の蓄積状態をみるために腹囲の計測が追加されるなど、特定保健指導の対象者を的確に抽出するための検査項目が導入されています。
特定健診の結果をもとに、内臓脂肪蓄積の程度とリスク要因の数に着目して、リスクの高さに応じて、レベル別(「動機付け支援」・「積極的支援」)に特定保健指導の対象者の選定を行います(階層化という)。

階層化のステップ

1.腹囲とBMIで内臓脂肪蓄積のリスクを判定します

腹囲

男性85cm以上、女性90cm以上 →(1)

腹囲

男性85cm未満、女性90cm未満。かつBMIが25以上 →(2)
※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

2.検査結果、質問票より追加リスクをカウントします

①~③はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の判定項目、④はその他の関連リスクとし、④の喫煙歴については①~③のリスクが1つ以上の場合にのみカウントします。

①血糖

a 空腹時血糖 :100mg/dl 以上、または
b HbAlc(NGSP値)の場合 :5.6% 以上

②脂質

a 中性脂肪 :150mg/dl 以上、または<
b HDLコレストロール :40mg/dl 未満

③血圧

a 収縮期 :130mmHg 以上、または
b 拡張期 :85mmHg 以上

④質問票

喫煙歴あり

3.ステップ1、2から保健指導レベルをグループ分けします

(1)の場合

①~④のリスクのうち、追加リスクが

  • 2以上の対象者:積極的支援レベル
  • 1の対象者:動機付け支援レベル
  • 0の対象者:情報提供レベル

(2)の場合

①~④のリスクのうち、追加リスクが

  • 3以上の対象者:積極的支援レベル
  • 1または2の対象者:動機付け支援レベル
  • 0の対象者:情報提供レベル

4.以下の条件を踏まえて保健指導レベルを確定します

  • 服薬中の人は特定保健指導の対象者にしません。

特定保健指導とは~あなたに合った健康目標を見つける場~

特定保健指導は、階層化により「動機付け支援」「積極的支援」に該当した人に対して実施されます。
保健指導委託機関の保健師・管理栄養士などと(初回のみ)面談し、それぞれの生活スタイルに合った健康目標を一緒に見つけます。その後もご都合に合う方法でサポートし、6か月後に生活改善の取り組みの成果確認を行います。
※当組合での特定保健指導は被保険者本人に限られます。

動機づけ支援 積極的支援
【対象者】
リスクが現れ始めた者
【内容】
管理栄養士・保健師の指導のもと、対象者自らが生活習慣改善のための行動計画を策定し、6ヵ月間自己管理を行う。6ヵ月経過後に指導者が実績の評価を行う。
【対象者】
すでにいくつかのリスクが重なっている者
【内容】
管理栄養士・保健師の指導のもと、対象者自らが生活習慣改善のための行動計画を策定し、指導者が定期的・継続的に介入し支援する。6ヵ月経過後に指導者が実績の評価を行う。

メタボリックシンドロームとは?

糖尿病等の生活習慣病の発症には、おなかの内臓のまわりに脂肪が蓄積した「内臓脂肪型肥満」が深く関わっていることがわかってきました。この内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうち、いずれか2つ以上をあわせもった状態のことを「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」といいます。
このような状態になると、糖尿病、高血圧症、脂質異常症の一歩手前の段階でも、これらが内臓脂肪型肥満をベースに複数重なることによって、動脈硬化を進行させ、ひいては心臓病や脳卒中といった命にかかわる病気を急速に招いてしまいます。

内臓脂肪型肥満

肥満には脂肪がたまる場所により、「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」の2つのタイプがあります。メタボリックシンドロームの原因となる危険な肥満は、内臓脂肪型肥満です。
内臓脂肪型肥満は、おなかの内臓のまわりに脂肪がたまるタイプの肥満です。上半身に多く脂肪がつくため、リンゴ型肥満とも呼ばれています。

まずは健診を受けましょう!

75歳以上の人を対象とした後期高齢者医療制度に、各医療保険者は「後期高齢者支援金」を拠出しています。
この支援金額は、平成25年度から「特定健診の実施率」「特定保健指導の実施率」によって増額または減額されることになります。
被保険者および被扶養者のみなさんが健診を受けることが、健保財政に影響を与えることにもなりますので、日頃の健康的な生活習慣を実践するとともに、年に一度は必ず健診を受けてください。